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アメリカと日本の食文化

22席 藤田理恵


アメリカと日本の食文化はかつて全然違うものであった。しかし、現代の日本の食事は欧米化しつつあり家庭の食事の中から本来の日本食というのは消えつつあると思われる。その為に健康を保つのは難しくなってきている。アメリカ人の食事といって日本人が浮かべる物と言ったら何だろう。まずステーキ、ハンバーグ、ハンバーガーなどの脂肪の多い物を想像すると思う。そういう脂肪の多い食晶を大量にとってきた為に、心臓病・ガン・糖尿病・老人性痴呆その他の成人病が深刻な社会問題となっている。アメリカ人が健康になるには、毎日の食晶の中から脂肪をできるだけ減らさなければならないと言われている。そのアメリカ人たちが、健康食として注目し、日常の食事に取り入れだしたのが日本食なのである。日本食に最初に注目したのは、30年ほど前、ヒツピーとして世界中を放浪していた一部のアメリカ人らしいと言われている。彼らは、しばらくは、スシ、サシミ、テンプラなどを日本食だと思って異国情緒を味わっていたようだ。では本来の日本食とは一体何だろう。米・麦などの穀類、豆類・魚・みそ・ワサビ・コンブ・ワカメなどの材料を使って調理されたものであるが、アメリカ人がお手本にしているのは現在の日本食ではなく、戦前の、あるいは昭和30年代までの日本食である。現在の日本食は砂糖や化学調味料を大量に使用し、味つけを濃くしている。日本の事情に詳しいアメリカ人は現在の奇妙な和洋折衷の日本食を見て不思議がり、中には日本人の健康を心配してくれる人までいるそうだ。確かに日本の子供たちのコレステロール値は、アメリカの子供た名を追い越している。成人病と言われる病気が子供がかかってもおかしくない状況にあり、名前までも「生活習慣病」と変えられたのだ。

かつて日本人はもっと多くの米を食べていた。米信仰というものまであり田植えに入る前には、のろしがあがり、巫子役の少女が田んぼの前にしつらえた俄か祭壇の神に豊作を祈った。田植えにも忌日というものがあり、不熟日は避けるといったように、今でもその習慣は残っているという。お米は神からの賜わりのものであったのだ。お茶碗にご飯つぶを付けたままお箸を置こうとすれば「バチがあたる」「目がつぶれる」とつい近年まで言われていた。私も幼ない頃から言われてきたので今だに最後の一粒まで食べるという習慣がついている。残している子を見かけると「目がつぶれるよ」と笑いながら言った記憶がある。神聖な食べ物1お米のご飯をよそうお茶碗、お米を口に運ぶお箸は自分専用のものを使う。西欧化している食卓でも、お箸とお茶碗は銘々の所有者が決まっている家庭が多い。街の飲食店に備えられている割り箸が莫大な資源の無駄遣いだと言われるのは、私たち一人一人にお箸を共有することのこだわりがあるのだろう。食器に個人所有を固守する日本人に対して、欧米人はどうだろうか。彼らは食卓でわずかにナプキンにイニシャルをほどこす程度の所有権主張で、食器の共有に甘んじている。日本人の集団主義、欧米人の個人主義がここでは逆転する。個人辛義の欧米人の食事の食べ方は、卓上でナイフとフォ…クを操っア、硬いものを食べる。あるいは大皿に盛り付けてあるのを回してもらって

自分でよそう。それには時問がかかり間ができる。そこに会話が入り、一緒に食事をしている人とテンポを合わせて、同じ頃に食べ終えるという感じである。一方、間なしですすめられる食事が日本の食事風景であり、共食していても食べ終わる時間はマチマチでお米を神聖化した為に、「食事中おしゃべりをしない」と言われ続けてきた習性もあるだろうが日本人は黙々とマイペースで食事を摂るのだ。すでにやわらかく調理されているものを時間をかけて食べることは難しい。初めから各自のお皿に盛り付けられているおかずを、自分の茶碗によそわれたご飯と一緒に自分のお箸でマイペースで食べるという個人主義ぶりだ。

食べ物の話に戻るが人の食嗜好は年とともに変わっていくものだと言ったけれど、アメリカの食べ物はそれに対応できるほど多くない。この国には老人食というものがない。日本食だったら魚をやわらかく煮たり、何とでもできるが、アメリカはこれに相当するものがなく、お年寄りは、量こそ少なめにして、若い人と同じ食べものを食べるのである。だからアメリカは老人も若い人もスナック、スナックの生活である。スナックにつきものが人工甘味飲料水。この消費量はすごい。日本でも今はどこでも自動販売機があふれていていつでも、どこでも、誰でも簡単に手に入る。人工甘味飲料水、脂肪の過剰摂取、早喰いによる大喰い。これでは太るのも当然である。アメリカ人の体格が大きいのも納得できる。そういう人はダィェットをするが、ダィェット用の食べ物を摂るというやり方である。ダイェット用のコーラ、ダイェット用の砂糖など食べなければいい様な物を食べるのだ。しかし今日本も同じ状況ではないか。「大食い→甘味嗜好→肥満→ダイエット」これは日本人にもアメリカ人にも言える事である。こうして日本とアメリカの食形態を比べていくともうあまり差がないことが分かる。しかし、日本は日本、アメリカはアメリカの文化を大切にしながらお互いの良い所をとりあっていけば良いと思う。


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